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Rice 2026

稲の根の測定|2026年 山形県余目

2026-09-30 に稲刈りのあとに残った株を抜き、洗って 2026-10-02 に測りました。
根の塊の横幅に差がありました。それ以外の項目には、はっきりした差は出ていません。

各区5株、1枚の田んぼ、1年分の記録です。観察の記録であって、効いたと言える段階ではありません。
最終更新 2026-10-02 / 読み物版(note)

Measurements

測った値|10株すべて

通常水③ 何もなし 処理水① 育苗から田の水まで

根塊の幅(mm)
50100150通常水 1株目 110 mm通常水 2株目 65 mm通常水 3株目 95 mm通常水 4株目 60 mm通常水 5株目 65 mm通常水平均 79.0処理水 1株目 120 mm処理水 2株目 160 mm処理水 3株目 140 mm処理水 4株目 130 mm処理水 5株目 110 mm処理水平均 132.0
p = 0.016 非盲検 M-119
根塊の長さ(mm)
6080100通常水 1株目 65 mm通常水 2株目 80 mm通常水 3株目 75 mm通常水 4株目 80 mm通常水 5株目 90 mm通常水平均 78.0処理水 1株目 60 mm処理水 2株目 80 mm処理水 3株目 100 mm処理水 4株目 75 mm処理水 5株目 80 mm処理水平均 79.0
p = 1.00 非盲検 M-120
茎数(本)
102030通常水 1株目 23 本通常水 2株目 27 本通常水 3株目 12 本通常水 4株目 20 本通常水 5株目 22 本通常水平均 20.8処理水 1株目 22 本処理水 2株目 22 本処理水 3株目 23 本処理水 4株目 27 本処理水 5株目 31 本処理水平均 25.0
p = 0.31 非盲検 M-121
白い根の本数(本)
050100通常水 1株目 17 本通常水 2株目 43 本通常水 3株目 15 本通常水 4株目 37 本通常水 5株目 33 本通常水平均 29.0処理水 1株目 121 本処理水 2株目 64 本処理水 3株目 39 本処理水 4株目 51 本処理水 5株目 25 本処理水平均 60.0
p = 0.095 盲検 M-122
根塊の幅mm根塊の長さmm茎数本白い根の本数本
通常水 1110652317
通常水 265802743
通常水 395751215
通常水 460802037
通常水 565902233
処理水 11206022121
処理水 2160802264
処理水 31401002339
処理水 4130752751
処理水 5110803125
通常水 平均79.078.020.829.0
処理水 平均132.079.025.060.0
p 値0.0161.000.310.095

Mann-Whitney の両側・正確確率法(exact)。n = 5 対 5。出所:自社のスプレッドシート「2026 稲測定」。原票は照会に応じて開示する

Normalized

白い根を根塊の大きさで割ると
正規化通常水処理水p
白い根 ÷ 幅0.4200.4611.00
白い根 ÷(幅 × 長さ)× 10005.2206.5331.00

最も多かった1株(処理水・白い根 121 本)を除くと、白い根の p = 0.191

Photographs

撮った写真
洗って土を落とした稲の根塊が10株、金属の直尺をはさんで左右に5株ずつ並べてある。右側の5株は根の塊が大きく広がっている。直尺の目盛りは60cmまで見えている
洗浄後の10株。直尺の右が処理水の区、左が通常水の区。この写真の株を測ったものが M-119〜M-122 2026-10-02
コンクリートの上に、土が付いたままの稲の株が8つ、上下2列・左右4株ずつに分けて置いてある。右側の4株は切り株と藁が広がって塊が大きく、左側の4株は泥の塊が小さくまとまっている。奥にノギスが1本置いてあり、手前の縁は砂利
掘り取った直後。土を落としていない。右の4株が処理水の区、左の4株が通常水の区 2026-09-30
洗って土を落とした稲の根塊が2株、縦に並べて置いてある。手前にノギスが1本あり、目盛りは130mmまで見えている。下の株のほうが根の塊が大きい
洗浄後の接写。下が処理水の区、上が通常水の区。ノギスで幅を測っている 2026-10-02

写真は撮ったままで、切り抜きや色の調整はしていません。どの株がどの数値かまでは、写真からは追えません。数値は上の表が持ちます

Design

何をしている試験か
  • 品種は「はえぬき」。山形県の主力品種で、この農家が40年同じ栽培を続けてきたもの
  • 同じ農家の隣接する区画を3つに分けた。① 育苗から田んぼの水まですべて処理水/② 種のときだけ処理水/③ 何もなし(通常の水のみ)
  • 今回比べたのは ① と ③。② は「いつの水が効いているのか」を分けるために置いたもので、読むのは収量が出てから
  • 装置は田んぼの取水口にパイプを1本設置するだけ。動力も薬剤も使わない
  • 2026-09-30 に稲刈り後の残株を各区5株ずつ抜き、洗って 2026-10-02 に測定した

Limits

この測定の条件と、分かっていないこと
  • 各区5株(n = 5 対 5)、1枚の田んぼ、1年分の記録である
  • 茎数・長さ・幅の測定は非盲検。測定者がどちらの区か分かっている状態で測った
  • 白い根の本数だけが盲検。どちらの区か伏せて別の人が数えた。ただし有意には届かなかった(p = 0.095)
  • 白い根は、根塊の大きさで割ると差が消える。塊が大きければ見える表面が広く、見える白い根も多くなるため
  • 盲検でやった項目のほうが、盲検でない項目より差が小さく出た
  • 抜くときに処理区の株は根が切れて土中に残った。処理区の数値は実際より小さく出ている
  • 各区の出穂日の記録がない。2025年には数値の記録がなく、圃場も別の区画である
  • 4項目を検定して、有意になったのは1項目である。事前に項目を決めて登録した試験ではない。多重比較の補正(Bonferroni なら 0.05 ÷ 4 = 0.0125)をかけると、幅の p = 0.016 も有意ではなくなる
  • n = 5 対 5 の両側・正確確率法で取りうる p は 0.0079/0.0159/0.0317/0.0556/0.0952 の5つしかない。有意か否かの線は、株1本の順位が入れ替わるだけで動く
  • 処理区は根が切れて一部が土に残り、対照区はほぼ全部が抜けた。両区で測っている対象そのものが同じでない。「処理区の値が過小に出る」より重い問題である
  • 5株は農家が選んだ。恣意的に選んだわけではないが、くじや乱数による無作為化の手続きは踏んでいない
  • 抜き取りから測定までは密封したポリ袋でガレージに置いた。乾燥も加熱も冷却もしていない。両区とも同じ条件

Pulling

抜いたときのこと
処理水の区の株を抜く 根が切れる音がして、土の塊ごと持ち上がった。IMG_1552
通常水の区の株を抜く すっと抜けた。IMG_1553

処理区の株は、抜くときに根が切れる音がして、土の塊ごと持ち上がりました。対照区の株は、すっと抜けました。1株ずつの記録で、数字になっていません。引き抜く力を測る道具を使っていなかったためです。2027年は秤を入れて測ります。

Prediction

これから出る数字と、今の時点での予想

10月末に収量と食味の結果が出る。結果が出る前に、予想をここに置く。外れたら、外れたと書く。表から消さない

項目予想理由結果
㎡あたり穂数差なし茎数に差がなく、農家の証言とも合う—
登熟歩合処理区が高い方向根が最後まで働いていれば登熟を支える—
整粒歩合処理区が高い方向高温障害が出るとまずここに出る—
白未熟粒率処理区が低い方向同上—
精玄米重同等〜やや増(減収幅が小さい)穂数が同じなら、差は登熟側に出る—
タンパク質含量分からない葉色が濃いと普通は上がる。ただし窒素が効いているのではなく根が持ったのが理由なら、上がらないかもしれない—
等級差が出るなら処理区が上—

今年は熱害の年だった。庄内地方で収穫量が落ちているという報告を、協力農家から受けている。処理区と対照区は同じ田んぼの隣どうしで、どちらも同じ暑さを受けている。地域の数字と処理区の数字を引き算はしない

食味は機械の検査と、人による官能試験の両方をやる。官能試験は三点識別法で、評価者には区を伏せる。「見た目と根は違ったが、食べて区別はつかなかった」という結果になったら、そう書く

Falsification

どうなったら取り下げるか

結果を見る前に、どうなったら取り下げるかを決めて凍結した(2026-10-02)。出た数字に後から説明を付けられないようにするための手続きである

根塊の幅
乾燥標本を1株ずつ撮り、5名以上に盲検で「横幅が広い順」に並べてもらう。処理区5株の順位和が 20 以上なら「幅に差がある」を取り下げる(252通りのうち片側5%に入るのは19以下。偶然なら27.5)
先に乾燥前後の縮み率を両区で比べる。平均の差が5ポイントを超えたら乾燥標本は使えないので試験を中止する
収量
水分率15.0%換算・単位面積あたりの精玄米重が、対照区を1gでも下回ったら取り下げる。計量誤差の範囲でも取り下げる
処理区1枚・対照区1枚で反復がないため、統計検定は原理的にできない
食味
粘り・旨み・甘みの3基準で、「対照区が上」が上回った基準が2つ以上なら食味の主張を取り下げる。1つだけならその事実をそのまま書く
冷えた一口おにぎり(成形後 室温20±3℃ で2時間)。パネル8名以上・盲検・提示順をランダム化。三点識別法で識別率が偶然水準(3分の1)と区別できなければ、食味の主張は今年分すべて取り下げる。炊飯に使う水は両区で同じにする(処理水で炊くと米の差か炊飯水の差か分けられない)

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次の更新

10月末〜11月に、収量4要素・整粒歩合・白未熟粒率・等級・食味値・タンパク質・官能試験の結果が出る。このページに結果の列を足して更新する。別のページには分けない